ヘッジファンドが駆使するレバレッジって?絶対収益を実現する仕組みは!

GAZOU


ヘッジファンドがレバレッジを駆使することで、どのようなメカニズムが生まれるのか疑問に思ったことはありませんか?

そもそも、レバレッジとは何なのでしょうか?

また、ヘッジファンドが高いレバレッジを用いることから生じるリスクは本当に高いのでしょうか?

こうした疑問をお持ちで、その答えを探しているのであれば、この記事はきっとお役立ちでしょう。

ヘッジファンドは、あらゆる投資手法を駆使し、どんな市場環境でも利益を追求することを目指す絶対収益を追求するファンドです。

そして、ほとんどのヘッジファンドは、この絶対収益を得るためにレバレッジを積極的に活用しています。

それでは、まず初めにレバレッジについて基本から解説し、その後にメリットやデメリットについても詳しく説明します。

ヘッジファンドが使うレバレッジの仕組みとは?

「レバレッジ」という言葉は、直訳すると「てこの原理」という意味ですが、金融取引においては自己資金よりも大きな金額で取引を行うことを指します。

これは、自分の投入した資金が、てこの原理によって何倍も増加するかのように、少ない資本で大きな金額の取引が可能となる仕組みです。

例えば、自己資金が200万円の場合、2倍のレバレッジをかけると、株式や外国為替などの取引で400万円相当のポジションを持つことができます。

では、これが具体的にどう役立つのでしょうか?

要するに、レバレッジをかけると、利益と損失がレバレッジの倍率に応じて増減するということです。

たとえば、自己資金200万円を使って金融商品に投資し、その結果が+1%だった場合、利益は「200万円 × 1% = 2万円」となります。

一方で、2倍のレバレッジをかけて400万円で同じ金融商品に投資していた場合、利益は「400万円 × 1% = 4万円」となり、2倍に増えます。

要するに、レバレッジが5倍、10倍などと増加すると、利益もそれに応じて増大します。

しかし、レバレッジは単なる利益の増大をもたらすだけの夢の仕組みではなく、損失も同様に増加する可能性があることを忘れてはなりません。

仮にレバレッジを10倍に設定し、運用結果が-20%だった場合、損失は-200%となり、自己資金を上回る損失が発生する可能性があります。

レバレッジをかけた取引は、ハイリターンを追求できる反面、ハイリスクも伴うことから、慎重に取り組む必要があります。

ヘッジファンドのレバレッジのメリット・デメリット!

もちろん、レバレッジ取引にはメリットとデメリットが存在します。

ただし、注意すべきなのは、レバレッジ取引において個人投資家とヘッジファンドでは、その利メリットとデメリットが異なることです。

一般的には、個人投資家向けの情報は豊富に提供されており、多くの解説が存在しています。

しかし、ここでは特に、ヘッジファンドがレバレッジ取引を行う際のメリットとデメリットに焦点を当てて説明します。

メリット

ヘッジファンドにおけるレバレッジのメリットは、市場のボラティリティが低く、利幅が少ない状況でも絶対的な収益を狙える点にあります。

個人投資家の場合、最大のメリットは、少ない資金で高価な金融商品に投資できることです。

たとえば、300万円の株式を購入したい場合、自己資金が100万円でも、レバレッジを3倍に活用すれば、目標の投資額に到達できます。

一方で、ヘッジファンドは数百億から数兆円規模の資産を運用しているため、高価な金融商品への投資が制約になることは滅多にありません。

では、なぜヘッジファンドは積極的にレバレッジを利用するのでしょうか?

まず、ヘッジファンドには年間の利回り目標が設定されており、その目標をどのような市場環境でも追求します。

市場が大きく上昇する相場では、レバレッジをかけずに目標を達成できるかもしれませんが、市場があまり動かない場合は難しいことがあります。

ここでポイントとなるのは、ヘッジファンドのリスク管理です。

彼らは利幅が少なくても高い確率で利益を見込む場面を見極め、その際にレバレッジを活用して大きな利益を狙うのです。

つまり、ヘッジファンドは安定的な利益を持続的に獲得するために、時折リスクを冒す覚悟でレバレッジを駆使しているわけです。

デメリット


ヘッジファンドにおいて、レバレッジのデメリットとして最も大きなリスクは、少しの判断ミスが非常に大きな損失をもたらす可能性があることです。

ヘッジファンドは個人投資家よりも遥かに高い倍率でレバレッジを駆使することができます。

そのため、わずかな判断の誤りが、個人投資家が想像もできないような速さで損失を拡大させてしまうことがあるのです。

ヘッジファンドは通常、長期的な資産運用を行うため、一時的な損失が生じても、その損失が回復するのを待つことができます。

ただし、レバレッジ取引を行う際には、保証金を預ける必要があり、その保証金を一定割合以上維持しなければならない規定が存在します。

例えば、保証金の維持率が25%である場合、400万円の取引を行うには、口座に100万円以上の自己資金を用意しておかなければなりません。もし損失が自己資金を下回り、維持すべき保証金額を下回ると、追加の保証金を入金しなければなりません。

具体例を挙げると、自己資金200万円でレバレッジ2倍の400万円の取引をしているとしましょう。

この取引が-26%の損失を出した場合、104万円の損失が生じます。

自己資金は200万円から104万円を引いて96万円となり、100万円を下回ります。そのため、追加の保証金を入金しなければなりません。

もし追加の保証金を入金できない場合、取引は強制的に決済され、損失が確定します。

最悪の場合、自己資金以上の損失が発生し、ヘッジファンドは他のポジションを解消して補填しなければならなくなることもあります。

ヘッジファンドが高レバレッジというイメージは古い!

レバレッジの良いところも悪いところも包み隠さず解説したのですが、どう感じましたか?

レバレッジは怖い。そのレバレッジを駆使しているヘッジファンドもめちゃくちゃリスクの高い運用をしているのでは?という不安は理解できます。

実際、高レバレッジの取引を行うヘッジファンドが過去に破綻した事例もあります。

このような事態は、時に市場の健全性にも悪影響を及ぼすことがあります。

そのため、多くの国々でヘッジファンドを含む機関投資家のレバレッジに規制が導入され、過度なレバレッジ取引が抑制されました。これにより、市場におけるリスクの過度な集中を防ぎ、安定性を保つための一手段となっています。

現在のヘッジファンドの多くは、高いレバレッジを活用するのではなく、安定運用を目指してレバレッジを慎重に管理しています。したがって、高レバレッジのヘッジファンドは過去のイメージであり、現代ではリスク管理を重視するファンドが主流となっています。

「いやいや、近年でもアルケゴス・キャピタル・マネジメントというヘッジファンドが破綻してニュースになったじゃないか。」

このような声が聞こえてきそうですが、その点について補足説明いたします。

実は、ヘッジファンドの中でも「ファミリーオフィス」と呼ばれるものは、様々な規制や制約から逃れることができる場合があります。

ファミリーオフィスは、個人の金融資産を管理・運用する投資会社であり、元々は資産を増やすことよりも、維持することを主な目的としています。

しかし、ファミリーオフィスは規制が緩やかなことが多いため、ヘッジファンド出身者がファミリーオフィスを設立し、高レバレッジな取引を行うことがあります。

ただし、ファミリーオフィスは外部投資家から資金を受け入れることができない制約があるため、個人投資家が誤ってファミリーオフィスに投資することはないでしょう。要するに、ファミリーオフィスは特定の個人や家族の資産を管理するためのものであり、一般の投資家向けの運用会社ではありません。

ヘッジファンドのレバレッジのまとめ

ヘッジファンドのレバレッジについてまとめましたが、いかがでしたでしょうか?

レバレッジとは、金融取引において自己資金よりも大きな金額で取引を行うことを指します。

この仕組みにより、少ない資金で大規模な取引が可能となり、それに伴う利益と損失も大きくなるため、高いリスクと高いリターンが伴う取引と言えます。

過去には、数百倍のレバレッジを駆使した取引により破綻したヘッジファンドも存在しました。

しかし、現在は規制が厳格化しており、多くのヘッジファンドは2倍程度のレバレッジを使い、安定性を重視した運用を行っています。

レバレッジは、市場のボラティリティが低い場合でも、ヘッジファンドが絶対的な収益を追求するための重要なツールとして利用されています。

これを活用することで、相対的な利益を最大化し、ポートフォリオ全体のパフォーマンスを向上させることができます。

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