ヘッジファンドの45日ルールって一体何?超分かりやすく元銀行員が解説!

GAZOU

「ヘッジファンドの45日ルール」についての疑問をお持ちの方も多いことでしょう。

ヘッジファンドは、あらゆる投資手法を駆使して、どのような市場環境でも利益を上げることを目指す、絶対収益を追求するファンドです。

このヘッジファンドには、「45日ルール」と呼ばれる解約に関する規定が存在します。では、この規定が市場にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

この記事では、ヘッジファンドの「45日ルール」について詳しく解説し、その相場への影響についても検証します。ヘッジファンドの資金の動向が、個人投資家の資産運用にどのような示唆を与えるか、お伝えします。

ヘッジファンドの45日ルールとは?

「45日ルール」とは、ヘッジファンドにおける解約に関する重要なルールです。

通常、一般の投資信託は公募によって不特定多数の投資家から小額の資金を集めていますので、大規模な解約が一度に発生することはまれです。

しかし、ヘッジファンドは私募の性質を持ち、少数の大口投資家から資金を調達しています。そのため、ヘッジファンドにおいては、1人の投資家が解約を申請した場合でも、ファンド全体に影響を及ぼす可能性が高いのです。

この問題を解決するために、ヘッジファンドは解約に関するルールを設けています。具体的には、投資家はファンドの決算日の45日前までに解約の申請を行う必要があります。

たとえば、年末が決算日であれば、11月15日までに解約の申請を完了させなければなりません。

解約の通知を受けたヘッジファンドは、投資家に資産を返却するために、運用中のポジションを決済し、必要な現金を用意する必要があります。そして、45日の期間内で、ファンド全体への影響を最小限に抑えつつ、資産の現金化を実施します。

このような規則が、ヘッジファンド内での運用を円滑に進めるための「45日ルール」と呼ばれています。

ヘッジファンドの45日ルールは相場にどう影響するのか?

ヘッジファンドは「45日ルール」に基づいて、投資家からの解約申請から決算日までの45日間に現金化作業を実施します。

一部で、この現金化作業が相場に影響を及ぼすという説が存在しますが、その真偽はどうなのでしょうか?

45日ルールで相場が荒れると言われる期間は?

もし45日ルールによって相場が荒れると仮定するなら、その期間は具体的にいつかについて考えてみましょう。

一般的に、ヘッジファンドの決算日は3月末、6月末、9月末、12月末が多いです。したがって、45日ルールに基づく現金化作業は、以下の期間に行われることになります。

  • 2月15日~3月31日
  • 5月15日~6月30日
  • 8月15日~9月30日
  • 11月15日~12月31日

このように、年間で約180日にわたり、1年のほぼ半分に相場への影響が及ぶ可能性があることになります。

45日ルールはあまり相場に影響しない!


結論から言うと、ヘッジファンドの45日ルールが相場に与える影響はほとんどありません。

この主張にはいくつか理由があります。まず、解約通知期限を45日前に設定するヘッジファンドが減少しており、45日ルール自体が古くなっていることが挙げられます。

また、45日ルールを採用しているヘッジファンドであっても、現金化の際に相場への影響を最小限に抑えるよう慎重に取引を行っています。ファンドは自身のポジションが悪化することを避け、そのために45日ルールを採用しています。

しかし、ヘッジファンドの現金化が相場に一切影響を与えないわけではありません。実際に相場が急変すると、ヘッジファンドがポジションを解除して現金化したことが原因とされることがあります。

ただし、これは後から付け加えられた理由であり、45日ルールがあるとしても、45日間のどの日にどのポジションを解除して現金化するかを予測するのは非常に困難です。

つまり、ヘッジファンドの取引は読みづらく、45日ルールを手掛かりに投資判断をすることはあまり意味がないと言えます。

45日ルール以外の投資アノマリーを紹介!

45日ルールが投資アノマリーではないという結論になりましたが、投資の世界には他にもさまざまなアノマリーが存在します。その中でも特に有名なアノマリーをいくつか紹介しましょう。

一つ目は「Sell in May(5月に売れ)」というアノマリーです。

この格言はアメリカの相場において昔から言われており、5月に高値をつけて夏にかけて相場が下がりやすいとされています。

そのため、5月に売却して相場から離れることを意味します。7月や8月は「夏枯れ相場」と呼ばれ、夏休みなどで市場参加者が少なくなり、取引量が一年の中で最も少なくなります。Sell in Mayと組み合わせて、「5月に相場を離れ、10月に戻ってこい」という戦略が提案されています。

二つ目は「ハロウィン効果」です。このアノマリーによれば、10月に株価が下がりやすいとされています。

1929年の大恐慌や1987年のブラックマンデーといった株価の暴落は10月に発生しており、「10月恐怖症」という言葉も存在します。したがって、Sell in Mayと組み合わせて、「5月に相場を離れ、10月に戻って来い」というアドバイスもあります。

三つ目は「クリスマスラリー」です。

これはクリスマスシーズンに株価が上昇しやすいというアノマリーで、アメリカでは年末の5営業日から新年の第2営業日までに株価が上昇傾向にあるとされています。この期間は「クリスマスラリー」と呼ばれており、多くの投資家が年末のボーナスを投資に充てるため、相場が活発に動くとされています。

これらのアノマリーは、説明を聞けばなんとなく納得できるものとまったく根拠がないものが混在しており、結果的にアノマリーが通ることもあれば外れることもあります。

したがって、これらのアノマリーはあくまで参考程度に留めておくべきです。

ヘッジファンドの45日ルールのまとめ

ヘッジファンドの45日ルールについてまとめましたが、どうでしょうか?

このルールは、ヘッジファンドの解約に関する規定で、具体的には、投資家が解約申請を行う際に、決算日の45日前までに提出しなければならないというものです。

ただし、現在では45日ルールを採用しているヘッジファンドが減少しており、その影響力は以前よりも低下していると言えます。

さらに、ヘッジファンドが現金化を行う際には、相場への影響を最小限に抑えるよう注意を払っています。

そのため、45日ルールが相場に大きな影響を与えることはまれであり、極端に心配する必要はありません。

相場は様々な要因によって影響を受けますが、45日ルールを含む投資アノマリーはあくまで参考程度に留め、冷静な投資判断を行うことが重要です。

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